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宮島醤油株式会社
「技術立社」の理念の下、新たな商品を創り続ける
「技術立社」の理念の下、新たな商品を創り続ける、多数のライバル会社が存在する中で皆から愛される商品を生み出している宮島醬油株式会社。その秘密を探るべく話を伺った。
長い歴史で培われた技術を活かす
宮島醬油株式会社は明治15年に醬油の醸造所として創業した。伝統的な発酵技術を基礎としながら、粉末スープやめんつゆなどの調味料や冷凍食品へと食品製造技術の幅を広げており、今やその商品の数は3500種類を超える。
ここまで多種多様な商品開発を可能にしたのは、人々のライフスタイルが多様化し、食生活が変化する中で、その時代に何が求められているかを常に考え、技術を磨いてきたからだ。
「今は少子高齢化の時代。これからは蓄積された技術を活かして、各家庭の生活スタイルに合った商品を作っていきたい。」と常務取締役の宮島治さんは語る。
宮島醬油が開発を進めてきた生産技術は「食品製造加工技術」「調味技術」「充填・包装・殺菌技術」3分野。135年以上、醬油や味噌を作り続ける中で受け継がれた技術に加え、様々な時代のニーズに応えるために磨いてきた確かな技術がここにある。
働きやすい環境を
宮島治さんは35年間別の会社に勤務していたが、2年前の平成29年に、宮島醬油株式会社の先代の社長だった父が他界したことを機に、家業を手伝うために唐津に戻り、現在は宮島醬油の常務取締役として働いている。
これまで、働きやすい環境を整備するために、様々な人事制度を見直したり、社内イベントなど、社員間のコミュニケーションの機会を増やすなどをしてきた。宮島さんが提案した新たな賃金制度も運用されているという。現在は人事考課の制度の改正に力を入れており、その内容は業務の成果などに基づいて、社員が公正な評価をされるように改善していく取り組みを行っている。
アットホームな雰囲気は、前述のような風通しのよい社内制度や様々なイベントをいくつかの部署で協力して行ったりバーベキューをしたりするうちに生まれてきたという。社員間のコミュニケーションを特に大切にしてきた宮島治さんの努力が功を奏し、働きやすい環境が作られている。
去華就実・技術立社
宮島醬油の社是は「去華就実」。これは外面的な華やかさを捨て、実質あることに専念せよという意味で、創業135年を超える宮島醬油の伝統を支えてきた。この「去華就実」の社是が質素で誠実な社風を作り、消費者の方々からのニーズに応え、信頼を得てきた歴史がある。
また、従来の技術に頼るだけでなく、「技術立社」として新技術の開発と技術の高度化を常に経営課題として掲げ、その実現に取り組んでいる。技術革新は食品製造技術だけではない。原材料や在庫管理、製造工程の履歴管理、受注から開発・生産・出荷・着荷までの時間短縮といった工程全体にわたる原価削減、一貫性のある品質保証など、幅広い周辺技術を含んでいる。
「宮島醬油はこの『去華就実』の精神と『技術立社』の姿勢の下に生産管理などを含む広い意味での技術を発展させていく」と宮島治さんは語る。常に新しいものを求める姿勢が宮島醬油という会社を成長させ続ける。
宮島醤油の理想
宮島醬油の経営ビジョンのうち、幅広い技術によって、多様化する食のニーズに応えること、社員とともに成長し続けることというものがある。食品会社は消費者の方々から寄せられる信頼がなければ存続することができない。このことを理解しているからこそ、多様化した人々のライフスタイルに合わせた商品を考え、それを作ることができるよう日々技術を磨いてきた。また、社員が働きやすい環境づくりを心がけており、学びの機会を提供し、会社の中での成長を実感できるような会社を目指している。賃金制度や人事考課の制度の見直しなどは社員のモチベーションに繋がり、宮島醬油自体の成長を促す。
宮島醬油が137年という長い間成長し続けることが出来たのは、「去華就実」という言葉に込められた質素で誠実な精神を宮島醬油の根本精神として全員が大切に守り続けたからである。今後も時代に応じたお客様のニーズに合わせた商品作りで信頼を得続けつつ、労働環境の改善により、働きやすい会社にしていく。
サガストEyes 「長く親しまれている商品から新商品まで」
宮島醬油の数ある商品の中で最大の売り上げを誇るのが粉末状のうどんスープだ。サッとお湯に溶かすだけで本格派のうどんつゆが出来あがるものとなっており、うどんだけでなくチャーハンや野菜炒め、野菜煮込みにも使用できる。パッケージの白とオレンジのストライプで描かれた特徴的なデザインは宮島醬油の137周年記念に行われたイベント「宮フェス」のチラシやイベント時に従業員が着る服にも使われており、宮島醬油を代表する商品だ。
また、新商品も次々に開発している。近年高まる健康改善効果などの機能を有する食品への二ーズに合わせて2014年に「ミヤジマ紫黒米酢」を商品化。これは佐賀県農業試験研究センターが育種した低アミロース紫黒米「佐賀40号」を用い、その紫黒米由来のアントシアニンを豊富に含んだ純米酢の開発に取り組んだことで生まれた商品だ。水で薄めて普通に飲むのはもちろん、シロップを加えたり、ソーダで割っても美味しく味わうことができる。酸っぱいものが苦手な人でも飲みやすく、幅広い人におすすめできるように考えられている。
取材後記 積み重ねの力
醬油や味噌などの調味料を主に開発・販売する会社はいくつも存在します。取材前にはそのようなライバル会社が無数ある中で宮島醬油という会社がどのように成長してきたか疑問を持っていました。それに対する答えは長い歴史の中で積み重ねられてきた技術でした。食品製造技術や周辺技術の細かな発展の繰り返しで他の会社にも負けない力をつけていったことが分かりました。
今回のように企業の方々に取材して記事を書くことは初めてのことで、とても貴重な体験でした。失敗やもっとこうしたほうがよかったと感じたこともありました。しかし、これも一つの経験だと受け止め、次のことに活かしたいと思います。お忙しい中取材に応じてくださった宮島醬油の皆様、本当にありがとうございました。
会社概要
お客様のニーズに合わせた商品を
宮島醬油株式会社は、1882年(明治15年)に佐賀市唐津市で醬油の醸造所を創業。醤油、味噌などの製造・販売を行っている。137年の間、日本人の食の原点ともいえる醬油・味噌を作り続けている。 伝統に根ざし、技術を磨き、人と時代の声に応えながらさらに美味しく、豊かで、確かな味を求め続けている。伝統発酵技術を基礎としながら、醤油・味噌・食酢・各種ソース・粉末スープ・液体スープ・焼肉のたれ・めんつゆ・ドレッシング・スパイス・缶詰・レトルト食品・冷凍食品・みりん・料理酒へと食品製造技術の幅を広げてきた。
近年、技術の向上にも力を入れており、その特徴の第一は、食品の品質管理と安全管理。宮島醬油が持つ3つの工場は全てSQF(Safe Quality food)という国際認証を取得している。第二は環境対応で、CO2排出量の削減のため、自家発電機と主なボイラーの燃料を重油から天然ガスに切り替え、石油を殆ど使わなくなった。蛍光灯のLED化、水銀灯の廃止、各種省エネの取り組みも推進している。
事業者名 | 宮島醤油株式会社 |
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代表者 | 代表取締役社長 宮島清一 |
電話番号 | 0955-73-2151 |
本社所在地 | 佐賀県唐津市船宮町2318番地 |
ホームページ |
https://www.miyajima-soy.co.jp/ |